リフォーム工事現場ルポ
【第4回】K様邸 区画整備による土地収用に伴う建物の外装+内装フルリフォーム
前回は、内外装のリフォームと軸組検討会の紹介をしました。
とくに、軸組検討会は、クライアント様の背丈に合わせ、スイッチの位置やインターホンなどの高さを検討し、要望を聞きながら、一つ一つ丁寧に造っていることがよくわかります。
最終回は、外装リフォームと内装リフォームが完了した後に行われる施主検査と引渡しについて、紹介します。
■施主検査8月17日K様邸リフォーム作業完了
まず外観を見ていくと現場を取り囲んでいた囲いが取り払われ、解体前にあった建物部分がきれいに取り払われていました。この砂利道の部分が歩道と車用道路になるようです。建物の綺麗な仕上がりは流石です。
横からの比較をしてみると、黒と茶色のツートーンカラーでクールな仕上がりです。
黒い部分は、もともと建物があった部分の名残のようにも見えます。
砂利になっているところは、建物が切り取られた部分になります。
1階部分は、店舗などに使われるスペースになります。
■1階1DK
リビングとキッチンが一列に並び、茶色の床と壁面が白で統一されたカラーリングが印象的です。
水回りでは、トイレとお風呂は別になっていました。
洗濯機の防水パンは下側から給水出来るタイプで珍しいものです。
■物件のあらゆる場所を確認していく施主検査のポイント
この日は、施主検査を行いました。施主検査とは聞きなれない言葉だと思いますが、施主様とすべての部屋を回り、その部屋一つ一つの状態などを確認していただくことになります。 例えばですが、もう少しこの部分(壁や天井など)の塗装をしてほしいなど、施主様の要望をお伺いします。
【施主(建主様)検査の手順】
1.各室内を検査
- ・壁や床にキズや凹みがないか。
- ・コンセントの数と取付位置(先日の軸組検討会で決定された箇所にスイッチ類等が間違いなく設置されているかなど、一つずつ確認・検査をします。)
- ・照明の数と取付位置
- ・玄関の施錠(インターホンの動作確認等)
2.キッチン、トイレ、浴室
特に水回りは注意する必要があります。ちょっとしたビスの緩みや締め忘れから簡単に漏水が起きるため、実際に水を流して確認します。 少しの水の勢いでは漏れないことがあるため、勢いよく水を出して検査します。
- ・蛇口やシャワーのパッキンから水が漏れていないか(パッキンやパイプの継手部分は手で触って漏れていないか確かめます)
- ・収納部や引き出しの開け閉め、扉もスムーズに開閉するか。
- ・換気扇等の空調の動き
3.ベランダ
- ・排水溝の勾配(水を流してみてスムーズに流れているか)
- ・手すり等金具の緩み(ボルト、ビスの締まりを確認)
4.室外
- ・外壁のキズや凹み、色のムラなど
施主様と各箇所を注意深く確認しながら全体の検査を行います。
■1階店舗スペース
1階部分はテナント用になりますので不動産業者様への説明が行われていました。
また、ユニットバスには水を張って給湯器やガスに不具合がないか確認します。
ガス管やメーターなどをすべて確認していきます。
玄関部分は、インターホンやポスト類が新しくなっています。鍵が動作するかもチェックをしていきます。
前回は、まさに室内の大リフォーム中で、壁や天井、床を作る前の見えない部分にコードや管を設置している状況でしたが、今回はほぼ完成している状態でとても綺麗です。
インターホンやキッチンなどが、施主様の要望のようにできているかを一つ一つチェックしていきます。
1階のインターホンとの通線テストをしています。
2階奥の部屋も1階と同じカラーリングで統一されています。広めな廊下が特長的です。
角には大きな窓とベランダがあり、開放感があります。
窓側にキッチンが配置されているので、外を眺めながらの料理が楽しめそうです。
階段を上がり3階へあがります。
■2階の階段手前の部屋
台形型の部屋の向こうにベランダが見えます。隠れている壁側には収納がありました。
ベランダは小さいながらも大通りに面しているので見晴らしは良いです。
室内の扉をとめるフックは最近の流行のようです。
全ての部屋の一つ一つを施主様に説明し確認していきます。
施主検査は大体1時間から2時間程度で完了しました。
■お引渡し 建物は施主様へ、解体後の建物の空き地は東京都へ
8月23日いよいよ本日は建物の引渡しになります。
■建物のお引渡し
お引渡しは、建物の一室を利用して行われます。今回は施主様のご自宅にて行われました。
時間は1時間程度で書類に関する確認とご捺印、鍵と鍵番号のチェック、その他補足説明など多岐にわたります。
■K様邸お引渡しの様子
お引渡しは、書類のご説明を行い、書類にサインとご捺印を頂きます。
鍵の番号合わせの様子
設計担当者による書類確認の様子
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
第1回から計4回に渡り、減築工事とリフォームについて、実際の施工物件をご覧いただきながらお話しをさせていただきました。
以前、当サイトで取り上げた、「朝日リゾートプロジェクト」では新築工事の現場のレポートをまとめましたが、今回の減築工事との違いはお伝え出来ましたでしょうか。
また、普通のリフォームと異なるのは、区画整備による土地収用がプラスされ建物の土地の一部が東京都に収用されるケースという事です。
今後このようなケースは増えていくことが予想されますので、もしお客様のもとに土地収用のお話が出たときには、まずその土地上の建物をどうしたいのか具体的なイメージを持つことが大切です。
「朝日リゾートプロジェクト」のレポートと合わせてみると新築の場合のケースも理解することができると思いますので、そちらも併せてお読みください。