リフォーム工事現場ルポ
【第3回】K様邸 土地収用による外装+内装フルリフォーム。室内+外装リフォームの開始
前回に引続きK様邸の進捗をお伝えします。
今回は、前半部分で室内がどのように造られていくのか、解体後の外壁はどのように取り付けていくのか、内装と外装工事のお話をします。
後半部分では、施主様を交えた軸組検討会という一般的にはあまり聞きなれない内容のお話になります。
工程写真や動画を交えて、様子をお伝えできればと思います。
3月30日
内装工事の真っ只中に現場を訪れました。
養生シートには、小原建設のロゴマークが設置されていました。
4階と屋上の様子を確認していきます。
■養生シートの内側
外側から建物内部を見ることは出来ませんが、内部から外側を確認することはできます。
足場には、外側からでも上下階へアクセスができるように仮設階段が設けられています。
■屋上は、防水作業中!
屋上の防水使用は、複数回数塗ることが必須になっています。
重ね塗りをすることが、防水機能を長持ちさせるために必要なことになります。
そもそも、屋根の機能としては、外部からの雨水や防塵、風などを防ぎ、排水溝に水を流すという様々な役割をもっており、屋根の形状は緩やかな形状でつくられ、水が流れる設計がなされています。
また、日当たりなどの環境もそれぞれの地域によって異なるため、複数回数塗装する事で、ムラを解消し耐久性をアップさせることができます。
環境や日当たり具合によって屋根の痛みが速い地域の場合は、塗装の種類を変更したり、塗装回数を増やしたりすることも大切です。
■空気を逃す 脱気筒
屋上には、脱気筒が三つ設置されていました。
この銀色の筒のようなものを「脱気筒」と呼びます。
屋上に何となく設置されているけれど、実際どんな役割があって設置されているのか分からない方も多いと思います。
洗濯物などを干しに屋上を利用されている方や、屋上に頻繁に上がる用事がある方からしたら、躓きそうで危ないじゃないか、と思った方もいるかもしれません。
実はこの脱気筒は屋上防水をする上で非常に重要な役割を担っています。
この脱気筒の一番の役割は、湿気や水蒸気を外に排出することです。
長時間雨に濡れていると、防水層と下地の間に水が溜まっていきます。そして、この溜まった水は、天気が良くなると太陽に照らされ蒸発します。その時に水蒸気として逃げる場所が無いと、防水層が膨れてしまいます。
この防水層の「膨れ」状態が続いて劣化してくると、そこが裂けてしまい裂けた部分から水が浸入して雨漏りの原因となる訳です。
この「膨れ」を防ぐために、脱気筒は大切な役割を担っているのです。
複数設置する理由は、ひとつの脱気筒がカバーできる範囲が限られているためです。
設置場所もどこでもいいという訳ではなく、水蒸気などは高い方に上っていく性質があるので、勾配がある屋上には勾配の一番高い箇所に設置することが一般的です。
■各種電気の配線が設置
室内に戻り状況を確認していきます。階段の天井側には各種配線もされていて、電気も供給されていました。
■3階の様子
3階では作業前の打合せ中のようでした。
■2階では、外壁材であるALC板をカットしていました。
現在大きく開いている壁のない部分は、建物が切り取られた部分です。建物を切り取ったために外壁が必要になります。
室内には、沢山のALC板が準備されていました。
開口部には、鋼鉄の枠が取付られていました。
金具の溶接をされています。
この金具の溶接作業の目的は、この部分が窓になるためです。
木造サッシと異なり、RC(鉄筋コンクリート)造やS(鉄骨)造の建物では、窓枠を固定する際に金具を用いて溶接します。
■外壁のALC板切断(動画)
図面に合わせて、 ALC板の切断をしていきます。
※ALC板とは、『軽量気泡コンクリート』のことを言い、セメント・石灰・珪石・発泡剤などから作られています。
■ALC板の穴あけ(動画)
外部から建物内に引き込む電気の線などのために、あらかじめ決められた部分に前もって穴を空けておきます。
■軸組検討会の開催
数か月が経ち、5月25日には「軸組検討会」が開催されました。 これは、施主様に工事の進捗状況等を報告すると共に、電気スイッチ類、テレビや電話の配線、コンセントの位置、インターフォンのモニターの場所など細かな部分をチェックし、施主様の背丈にあわせて使いやすいかなどを相談し、調整していくという作業になります。
室内にはインターフォンや、エアコンなど、コンセントやスイッチの位置などに目印の紙が貼られていました。
■軸組検討会を行う事で、より使いやすさを追求し住みやすい建物を創ることに繋がります。
軸組検討会では1階から4階まですべての部屋で行われます。
■建物内部では間仕切り壁の造作中
壁の設置、仕切りとする部分には、石膏ボードなどを設置するために金属の枠組みが設置され始めていました。
■排水用パイプの設置
床下部分には、排水などに用いるパイプが通っています。
天井部分にも枠組がしっかり設置されています。
実際に住んでいると外から見えずに分からない部分ではありますが、床の下にはパイプや、
ガス栓、コード類がまとめられています。
■天井にもコードの配線
電気系統の配線が、天井から壁などを伝いコンセントや電灯などに設置されていきます。
■外装リフォーム完了
外装リフォームが終わり、足場が外されたと聞き、7月11日現場を訪れました。
養生シートが外されて現れた外観は、以前の茶色い部分と、ダークグレーのツートンカラーに仕上がっていました。
■まとめ
いかがでしたでしょうか。
外装リフォーム、内装リフォームは通常の工程と同じように進められていきます。
今回特に取り上げた「軸組検討会」は重要な部分です。
施主様に直接ご説明をさせていただき、必要な調整点を洗い出していくこととなります。
そして、実際に使いやすい家づくりにつなげていきます。造るだけではなく、お客様の使い勝手と使いやすさを追求し、小原建設では、お客様にご満足いただけるような、建物づくりを追求しています。
外装リフォームが終わり、内装リフォームが完了するといよいよ様々な検査を経て、最終の施主検査、そしてお引渡しになります。第4回目は最終回になります。
最終回はリフォーム後の建物がどのようになったのか、施主検査、お引渡しについてご紹介します。
■3月30日 現場写真
■5月25日 現場写真